社会福祉 (social welfare/social services) |
一般的には、個人が社会生活をしていく上で遭遇する障害や困難に対して、社会福祉政策、地域社会、個人などが、独自にあるいは相互に協働しながら、これを解決あるいは緩和していくための諸活動の総体あるいはそのような生活を目標とすることと考えられている。 また、社会福祉は次の4つの構成要素からなっているとされている。 福祉思想・・・価値・哲学・援助観・人間観など。 福祉問題・・・個人の生活に現れる問題。 援助資源・・・福祉問題を解決・緩和していく為の資源。 援助技術・・・福祉問題と援助資源を円滑に結びつけ、効果的な解決を図ることを促進する技術。 また、戦後長い間、制度政策論(考橋理論)と方法機能論(岡村理論)が論争を展開してきたが、時代の流れとともに、今日では、政策の実態を中心とした研究が中心となり、このような社会福祉の本質を問うような論争は少なくなっている。 |
NPO (民間非営利組織:non profit organization) |
1990年代になって米国から入ってきた用語。 社会的な活動を行う民間組織を指す。 民間非営利組織の非営利とは利潤をあげないのではなく、利潤が出た場合に内部で分配しないことを示している。 利潤目的ではなく社会的な目的をもつ組織なのである。 |
NGO (非政府組織:non governmental organization) |
NPOと同じで、社会活動を行う民間組織を意味する。米国では同じ内容とされている。NPO、NGOは非営利かつ非政府組織を示しているが、NPOは非営利性を強調し、NGOは非政府性を協調しているとされる。 日本ではNPOは国内の組織に、NGOは海外援助組織に使われる傾向が強い。 |
ノーマライゼーション (normalization) |
福祉の基本理念の一つ。 障害のある人が障害のない人と同等の権利を持てるように、また、同じような日常生活が送れるように生活環境や条件を整備して、社会的な意味でノーマルにするという考え方。 国連が国際障害者年(1981)及び国連障害者の10年の中で、強調し国際的に浸透した。 これにより、福祉の考え方が世界各国で、収容保護から人権尊重へ、施設から自宅や地域へ、ADLからQOLへと変わっていった。 日本では、障害者基本法(1993)の策定、「障害者プラン〜ノーマライゼーション7ヵ年戦略」(1995)の制定により障害者が質の高い生活が送れようバリアフリー化の促進が進められている。 |
バリアフリー |
この2つは、ノーマライゼーションを実践する為の方法です。 バリアフリーとは、「barrier:障壁」と「free:(心配・苦痛などが)ない」を組み合わせた言葉で、「障壁がない」といった意味を持ちます。元来は建設用語でしたが、現在では、「社会生活、制度、施策、情報分野など、さまざまな面において障壁を除去する」という意味で用いられています。 一方、ユニバーサルデザインの考え方としては、年齢、能力、体格、障害の有無などによって区別することなく、全ての人が安全で快適に普通の生活を送れるような環境づくりを設計の段階から目指すというものです。 つまり、初めから障害(バリア)が存在しないデザインのことだと言えます。 また、日本では、ハートビル法(1994制定、2002年改正)などによって、バリアフリー化の促進が提起されています。 |
成年後見制度 | 民法に規定される制度です。 成年後見制度と未成年後見制度の2つがあります。 成年後見制度とは、判断能力の不十分な成年者(痴呆性高齢者・知的障害者・精神障害者等)を保護するための制度で、柔軟かつ弾力的な措置を可能とする為、1999年に制度が改正され、@補助、A保佐、B後見の3類型の制度とされました。対象者は次の通り。 @補助類型:精神上の障害により判断能力が不十分な者のうち、軽度の状態にある者を対象とする。 A保佐類型:精神上の障害により判断能力が著しく不十分な者を対象とする。 B後見類型:精神上の障害により判断能力を欠く常況にあるものを対象とする。 未成年者後見制度は、親権者あるいは、それにかわる適当な人がいない未成年者を保護する為の制度です。 どちらの制度も、後見人などが代理人として、財産管理や身上監護に関する契約の後見や保佐などをします。 |
高齢者総合相談センター | シルバー110番ともいわれ、各都道府県に1ヵ所設置されています。 高齢者やその家族が抱える様々な困りごと、心配事、悩み事などに対応して福祉の増進を図っている機関です。 相談活動は、電話・来所による相談から巡回もおこなっています。また、相談支援に必要な情報の提供や研修、情報誌の発行なども行っています。 全国の高齢者総合相談センター・一覧 電話では、#8080(プッシュホン回線の場合のみ)にダイヤルすると各地域の高齢者総合相談センター(シルバー110番)につながり、電話相談をおこなえます。 |
ソーシャルワーカー (Social Worker) |
一般的に、福祉原理に基づき、専門的な知識と技術をもって、主に相談を受けて助言や指導などの社会福祉援助を行う社会福祉従事者の総称です。 具体的にいうと、カウンセリングやケースワーク、福祉サービスの調整などをおこなっており、実施の場は広域で、職種も多様です。 例えば、医療分野のソーシャルワーカ−をMSW(Medical Social Worker)と言ったり、MSWのなかで精神科領域のソーシャルワーカーをPSW(Psychiatric Social Worker)又は精神保健福祉士といいます。 日本では、国家資格などの資格に関係なく相談業務をおこなえるので、社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉主事などの有資格者や、資格をもっていなくても、社会福祉分野で相談業務に携わっている者すべてをソーシャルワーカーとしています。 |
自閉症 |
発達障害の一種と捉えられ、主な症状として、環境が持つ情報を正しく意味づけられない、言葉の意味を理解できず、共感的なコミュニケーションとれない、行動の様式や興味の対象が限定されて、同じような行動を繰りかえす、周囲のわずかな変化にも恐れや苦痛を感じやすい等である。 原因としては、脳の中枢神経の機能障害により起こりうると想定されているが、メカニズムは明らかでない。 |
認知症 |
先天的な脳の器質的障害により、いったん正常に発達した知能が低下した状態です。 このために、社会生活や日常生活を一定のレベルに保つことが困難になります。 以前は、「痴呆」という言葉で表現されていましたが、「痴呆」という言葉が差別的という意見を踏まえて、2004年12月24日付で法令用語を変更すべきだとの報告書がまとめられ、厚生労働省老健局は同日付で行政用語を変更しました。 「痴呆」の呼び名の代替案として「認知症」とすることとしたことに関して、「認知」の意味が正しく伝わらず、適切ではないのではという議論もあります。 社団法人日本心理学会・日本基礎心理学会・日本認知科学会・日本認知心理学会から連名で厚生労働省に出された意見書の中では、その不適切さが指摘され、代案として「認知失調症」を提起しています。 認知症の狭義の意味としては「知能が後天的に低下した状態」のことを指しますが、医学的には「知能」の他に「記憶」「見当識」の障害や人格障害を伴った症候群として定義しています。 高齢期になって起こる代表的なものに、アルツハイマー型痴呆と脳血管性痴呆があります。 また、適切な意思表示ができない認知症患者の介護は、個々の生活暦・習慣・癖などにあわせて援助することが大切です。 |
特定疾病 |
特定疾病とは、政令により定められた16の疾病・疾病群の総称で、難病です。 ・ガン末期 ・初老期の痴呆(アルツハイマー病、ピック病、脳血管性痴呆、ヤコブ病など) ・脳血管疾患(脳出血、脳梗塞など) ・脊髄小脳変性症 ・閉塞性動脈硬化 ・糖尿病性の腎症、網膜症、神経障害 ・筋萎縮性側索硬化症(ALS) ・パーキンソン病 ・脊柱管狭窄症 ・慢性閉塞性肺疾患 ・早老症 ・両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症 ・慢性間接リウマチ ・後縦靭帯骨化症 ・骨折を伴う骨粗鬆症 ・シャイ・ドレーガー症候群 この特定疾病になった40歳から64歳の人(第2号被保険者)が要介護認定を受けると介護保険の給付を受けることができます。 特定疾病に該当するか否かは、主治医の意見書に基づき、市町村等に置かれる介護認定審査会が確認を行うこととしています。 しかし、第2号保険者が要介護状態になった場合、特定疾病に認定されている病名で無いと介護認定を受けられない場合や、それ意外の重い病気では認定すら受けられない不公平な場合があるのではといった意見もあります。 また、介護保険サービス以外に、身障者手帳に基づく身障者施策の適応もありますが、例えば障害者デイサービスはメニューととしてあっても実際実施しているところが少ないという現状もあり、メニューに基づいて救われるのはほんの一握りといわれます。 また、介護保険サービスは使えなくとも保険料は取られます。 |
高齢社会 |
人口の高齢化が進んだ社会で、国連は全人口に占める高齢者人口の割合が7〜14%の社会を高齢化社会(aging
society)、14%を超えた社会を高齢社会(aged
society)、21%〜超高齢社会としている。 日本は昭和45年に高齢化社会に、平成6年の時点で高齢社会となった。平成22年には超高齢社会となる見込みである。 高齢人口の増加の一方、年少人口の減少とが同時並行的に進んでおり、2つの現象を合わせて少子高齢化と呼ぶこともある。 あるデータによると、日本の高齢化率は今後も上昇しつづけ、2025年には、30%になると予想されている。 高齢者人口の増加は、結果的に介護の必要な高齢者の増加をもたらし、介護サービスの需要増、家族介護負担の深刻化などや生きがいの問題、健康な高齢者の社会参加など社会的課題が多くなってくる。 |
ワーキングプア(working poor) |
正社員並みにフルタイムで働いても(またはその意思があっても)生活保護水準以下の収入しか得られない就業者のこと。 今、日本では、「ワーキングプア」と呼ばれる“働く貧困層”が急激に拡大しています。 生活保護水準以下で暮らす家庭は、日本の全世帯のおよそ10分の1。400万世帯とも、それ以上とも言われています。 理由として、実力主義の導入によって格差社会が進み、リストラなどによって企業社会から落伍してしまうと、ふたたび浮き上がることが難しくなっていることがあげられる。 また、フリーターやニートの若者たちも、一定の年齢を超えると正社員雇用は望めなくなり、一生フリーターとして低賃金生活者となってしまうのである。 |
作業療法士 |
医師の指示の下に、身体又は精神に障害のある者またはそれが予測される者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行わせる、医療従事職の一種。 リハビリテーションの現場において、理学療法士・言語聴覚士とともに活躍する医療 ・福祉界のスペシャリストです。 しかし、多くの人々にとって作業療法士は、まだ馴染みの薄い職種です。 就業場所は、医療機関、福祉施設、リハビリテーションセンター、保健所等である。 作業療法士の資格は理学療法士及び作業療法士法 (1965年成立)によって定められており、専門の学校を卒業後、作業療法士国家試験に合格しなければなりません。 理学療法士とは、近い関係にありますが、理学療法士が基本的な機能を回復させるのに対して、作業療法士は日常生活ができる応用力をつけるためサポートする職種とされています。 |
理学療法士 |
医師の指示のもとに、心身に障害がある人に対して、主としてその基本動作・運動能力の回復を図るため、マッサージや体操、温熱・光線・電気療法・スポーツなど物理的な治療を用いてリハビリテーションの指導や助言を行う。医療従事職の一種。 リハビリテーションの現場において、作業療法士・言語聴覚士とともに活躍する医療 ・福祉界のスペシャリストです。 就業場所としては、病院、リハビリテーションセンター、保健センター、更正援護施設、介護保健施設、介護福祉施設などがあります。 作業療法士と同じように、多くの人々にとって作業療法士は、まだ馴染みの薄い職種です。 |
ガイドヘルパー |
障害をもつ方の外出を介助し、自立と積極的な社会参加を促進する仕事です。 支援費制度のもとで移動介助業務を行うには必須の資格です。 ホームヘルパーの資格だけではできなかった視覚障害者や全身性障害者の移動介助も可能です。 受講資格 ・1級・2級訪問介護員(ホームヘルパー)取得者 ・介護福祉士取得者 ガイドヘルパー研修期間(最低基準) 全身障害者ガイドヘルパー研修:16時間 視覚障害者ガイドヘルパー研修:20時間 知的障害者ガイドヘルパー研修:19時間 |